五百万石

「山田錦」に次ぐ2大酒米。1956年(昭和31年)、新潟県による開発。同県農業試験場にて亀の尾の後代にあたる新200号と、雄町=渡船の後代にあたる菊水を交配させることによって誕生。そのころ新潟の米の生産高が五百万石を突破したことを記念してこのように命名された。すっきりとした切れ味が良い酒も多いが、いわゆる「フルーティーな香り」を醸し出す代表的品種で、1980年代以来、吟醸酒ブームの立役者となっている。同県のみならず北陸地方と日本海側で多く栽培されるが、耐冷性に弱く、耐倒伏性にもやや弱い。耐病性は、どの県・地域で栽培されるかによって違いが出るが、大方いもち病紋枯病イネカラバエには普通で、白葉枯病は弱い。また粒が小さいため高度精米に耐えられず、精米歩合50%程度が一般的な目安とされる。弱点を克服すべく、色々な品種とかけあわせて新種の親株となっている。新潟県内での五百万石の最大産地である上越市吉川区では1980年代から永田農法による栽培に取り組み、糖度・硬度・心白の大きさなどの醸造適性を工夫した酒米を生産している。特に高い糖度や雑味の原因となるタンパク質量の低さを実現するのに永田農法が貢献しているといわれる。この地域の五百万石は県内有名酒造場に出荷されており、また越後杜氏の支流派である吉川杜氏の拠点となる同地の酒蔵「よしかわ杜氏の郷」では、「米・水・技術すべて100%よしかわ産」の地酒として特産品となっている。東の名酒米ともされているが、兵庫県や近隣県など西日本においても生産されている。